卵子凍結のデメリット

卵子凍結ガイド

正しい知識を得て判断を。あいまいな噂にまどわされず、自分らしい選択を!

卵子凍結は、女性の未来を拓く革新的な医療です。しかし、どんなに優れた物事にもデメリットがあるように、卵子凍結にも残念ながらデメリットが存在します。

①妊娠する可能性が100%になるわけじゃない

状態の良いうちに卵子を採取し、出産の可能性を高めるのが社会的適応の卵子凍結の意義です。しかし残念ながら、100%妊娠できるわけではありません。その理由は、妊娠を希望したときの体調や、パートナーの精子の質なども関係してくるためです。

女性の卵子が加齢に応じて劣化するのと同様に、男性の精子もまた、年をとるごとに劣化することが分かっています。また、凍結時・融解時に、どうしても卵子は多少のダメージを受けます。凍結した卵子と凍結前の卵子を比べたら、どうしても質は落ちてしまうのです。

「30代前半で採取し凍結した卵子」と、「同じ時に採取した凍結していない卵子」を比べたら後者のほうが優秀であることに間違いはありませんが、「30代前半で採取し凍結した卵子」と「40代で採取した卵子」では、前者の方が質が良い可能性が高くなります。加齢による卵子の質や卵巣機能の低下を考えると、凍結保存しておくことで、その後に生まれるリスクが回避できるのです。

②医療行為のため、出血や感染、合併症の危険がある

ごく稀ではありますが、卵巣を刺激する薬剤を使用した後に卵巣が腫れる「卵巣過剰刺激症候群」が起こることも。また、麻酔が体質に合わずアレルギー等を起こす合併症、膣内や尿管、膀胱などを傷つけてしまうなどのリスクもあります。
こうしたリスクを下げるために、しっかりとした卵子凍結の技術を持っているクリニックを選ぶことが大切です。

③体への負荷がかかる可能性も

卵子凍結を行うための最初のステップとなるのが、クリニックでの検査です。卵子を採取する前に、採血をしての血液検査やエコー検査を行う必要があり、そうした医療行為が苦手な方にとっては、大きな負担となるでしょう。
また、採卵時には局所麻酔や静脈麻酔を使用しますが、麻酔が効きにくい体質の方は、痛みを感じることも。不安な方は、医師に相談を。

他にも、「卵子の保存方法と品質管理」の項でも紹介したように、災害などによりタンクが故障するといった、保管時のリスクが考えられます。
卵子凍結を行う際は、デメリットに対する不安をできる限り払拭してくれる、“良い”クリニックを選びましょう。

Dr.おっちぃ

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