卵子の保存方法と品質管理

卵子凍結ガイド

採取された卵子は、必要とされるその日まで液体窒素のゆりかごの中、眠り続けます

近年の卵子凍結では、採取した卵子は「超急速ガラス化凍結法」という技術により凍結保存されます。これは、細胞を凍結する前に高濃度の凍結抑制剤(耐凍剤)に浸し、さらにガラス化液を用いて細胞を濃縮。こうして細胞内の水分を極力取り除くことで、非晶質をガラス状態にして凍結させる技術です。

採取した卵子をそのまま液体窒素に入れて凍結させるだけでは、凍る際に水分が膨張して細胞が破壊される可能性がありますが、この技術の発明により、細胞の劣化がほとんど起こらなくなり、低リスクで卵子凍結が行えるようになりました。
ガラス化された卵子は、クライオトップと呼ばれるスティック状の保存器具に設置され、マイナス196度の液体窒素で超急速凍結。必要とされるその日まで、液体窒素の中で保存されます。

多くの場合、凍結する卵子の数は10個以上。凍結保存が可能な年齢は45歳~50歳(クリニックにより異なる)頃まで。ほとんどのクリニックで、一年ごとの更新により保存が可能です。
また、こちらからの指示がない状態で勝手に液体窒素から取り出されることはありませんが、長期間保存することが前提となるものなので、紛失や盗難、取り違え防止、人的ミスの排除など、安全対策がきちんとられているクリニックを選ぶことが大切です。

なお、これはどんなに管理を徹底しているクリニックでも起こりうるリスクになりますが、保管期間中に地震や津波、火災など災害による機器破損や停電により、適切な保管が行われなくなる可能性が無いとは言えません。また、クリニックそのものが倒産等で営業できなくなり、預けてある凍結卵子の管理がうやむやになってしまう可能性もあります。

先ほども述べましたが、卵子凍結を行う際は口コミなどでしっかり情報を集め、信頼のおけるクリニックを選ぶようにするといいでしょう。

Dr.おっちぃ

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